「昼食のあと、どうにもまぶたが重い」
「夜はちゃんと寝ているのに、午前中から体がだるい」
「なぜかお腹まわりだけ、頑として動かない」
──50代になると、こんな“小さな不調”が日常に紛れ込んできます。
年齢のせい、と片づけがちですが、実はその裏で血糖値がジェットコースター状態になっている可能性があります。これは、50代から特に意識したい「血糖値スパイク対策」のサインでもあります。
これまでの記事では、
👉余計なものを減らす「引き算」(50代の体を疲れさせる習慣を手放す考え方)
👉不足しがちなものを補う「足し算」(筋肉と代謝を守る食事の基本)
をお伝えしてきました。
今回は、その中間。 私たちのエネルギー源でもあり、悩みのタネにもなりやすい 「炭水化物(糖質)」との付き合い方です。
炭水化物は敵ではありません。 ただし50代からは、 昔と同じ感覚で食べていると、体にツケが回りやすくなる ──それだけの話です。
1. 50代の体で起きている「血糖値スパイク」と対策の基本
血糖値とは、血液の中にどれくらい糖があるか、という数値です。 食事をすれば上がるのは、誰でも同じ。
問題は、その上がり方と下がり方です。
空腹の状態で、 ごはん・パン・麺類など糖質の多い食事を一気に食べると、 血糖値は急上昇します。すると体は慌ててインスリン(血糖値を下げる唯一のホルモン)を分泌し、 今度は急降下。
この乱高下を「血糖値スパイク」と呼びます。食後に血糖値が急上昇し、そのあと急降下することで、血管にじわじわ負担をかける状態です。50代の体調管理では、この血糖値スパイクへの対策がとても重要になります。
50代になると、この調整役である「インスリン」の働きが 若い頃よりも鈍くなりがちです。
結果、こんな影響が出やすくなります。
- 血管へのダメージ:血管の内側が傷つき、「動脈硬化(血管が硬くなり詰まりやすくなる状態)」の土台に
- 糖化(体の焦げ):肌のハリ低下、シワ、骨の弱りにつながる
- 気分と集中力の乱れ:強い眠気、イライラ、思考停止状態
「甘いものは控えているから大丈夫」
そう思っている方ほど要注意。 実は、白いごはん・パン・麺類の食べ方こそが、 血糖値スパイクの主犯だったりします。
2. 「食べる順番」を変えるだけでできる血糖値スパイク対策
炭水化物を完全に抜く。 ──これは50代にはおすすめしません。
エネルギー不足になり、 筋肉まで削ってしまう可能性があります。
ポイントは、 糖をどれだけ速く吸収するかをコントロールすること。
そこで登場するのが、 コスパ最強の健康法──食べる順番です。
まずは野菜から(ベジタブル・ファースト)
最初は、野菜・きのこ・海藻。
食物繊維が胃腸に“ゆるいフタ”をして、 糖の吸収スピードを落としてくれます。
次にタンパク質(プロテイン・セカンド)
肉・魚・卵・大豆製品。
タンパク質や脂質が入ることで、 胃の動きがゆっくりになり、 血糖値の上昇も穏やかになります。
炭水化物は最後(カーボ・ラスト)
ごはんやパンは締め役。
同じ量を食べていても、 この順番を守るだけで 食後の眠気が別人レベルで変わる人も少なくありません。
3. 主食は「白」より「茶色」を選ぶ
50代の炭水化物選びで意識したいのは、 どれだけ削られていないか。
- 白米 → 玄米・雑穀米・五分づき米
- 食パン → 全粒粉パン・ライ麦パン
- うどん → そば(十割・八割が理想)
いわゆる「茶色い主食」は、 糖質だけでなく、 ビタミンB1、ミネラル、食物繊維も一緒に摂れます。
ただの炭水化物ではなく、 働く炭水化物です。
どうしても白いごはんがいい日には、 一度冷ましてから食べるのも一案。
冷めることで生まれる 「レジスタントスターチ(難消化性デンプン:消化されにくく、食物繊維のように働く成分)」は、 血糖値の上昇を抑え、腸にもやさしい存在です。
4. 仕上げは「ちょい足し」の工夫
さらに安定感を出したいなら、 次のような小技も効いてきます。
• お酢の力: 料理にお酢を使ったり、食事と一緒に酢の物を摂ることで、糖の吸収を遅らせることができます。
• オリーブオイル: パンを食べるなら、バターよりもオリーブオイルを。脂質が糖の吸収スピードを和らげます。
• 食後の10分ウォーキング: 食べた直後の軽い運動は、血液中の糖をすぐに筋肉が消費してくれるため、血糖値の急上昇を防ぐ特効薬になります。
どれも特別な準備はいりません。 「できる日だけ」で十分です。
まとめ:炭水化物は“敵”ではなく、血糖値スパイク対策のカギになる
炭水化物は、 50代の体を動かすための大切なガソリンです。
若い頃のように「とりあえず食べれば動けた」時代とは違い、 今はどう食べるかで、体の反応がはっきり分かれるようになりました。
必要なのは、我慢や制限ではなく、 扱い方を変えること。
- 野菜から食べる
- タンパク質をはさむ
- 主食を少し茶色に寄せる
この小さな工夫だけで、 血糖値は安定しやすくなり、 食後の眠気やだるさも軽くなっていきます。
炭水化物を減らすのではなく、 エネルギーとして上手に使い切る。
それが、50代からの賢い食べ方です。
次の食事から、 まずは「順番」だけ、意識してみてください。 それが、今日から始められる一番やさしい血糖値スパイク対策です。
▶続いて
炭水化物を整えたら、次は「油(脂質)」の出番です。
50代では、油は減らすより選び方が大切。 次の記事では、脂質を味方につける考え方をまとめています。