― サプリを足す前に、まず手放したい習慣の話 ―
50代になると、健康への意識が一気に高まります。 テレビやネットで「体にいい」と聞けば、サプリメントを調べ、話題の健康法を試し、気づけば引き出しの中はビタミンやら青汁やらでいっぱい。
……でも、ふと立ち止まって思うことがあります。
こんなに足しているのに、なぜか体は軽くならない。
それもそのはず。50代の健康づくりは、「足し算」よりも引き算が先だからです。 長年の生活で知らず知らずのうちに積み上がった“クセ”や“無理”。 それを抱えたまま何かを足しても、体はうまく受け取れません。
今回は、50代の体と心を軽くするために 「まず引いておきたい3つの過剰」を、わたし目線で整理してみました。
「食べすぎ」という過剰を引く
50代になって「若い頃と同じ量を食べているのに太る」「胃が重い」と感じるのは、気のせいではありません。
体はもう、燃費の悪いスポーツカーではなく、 省エネ運転が基本のハイブリッド車に変わっているんです。 そこへ昔と同じ量のガソリンを入れれば、そりゃあオーバーフローしちゃうってもんです。
満腹まで食べる習慣を引く
50代からの適量は「腹八分目」…より、もう一段控えめ。 腹七分目くらいが、体にはちょうどいい。
満腹になるまで食べると、内臓はフル稼働。 その結果、食後に強烈な眠気が来たり、翌朝まで胃が重かったりします。
引き算のコツ: 一口食べたら、箸を置く。 たったこれだけで、食べすぎはかなり防げます。 満腹感は、意外と“ゆっくり”やってくるものです。
「糖質というご褒美」を引く
仕事終わりの一杯、食後の甘いもの。
これが一日の楽しみになっている人も多いと思います。
ただ、50代の体にとっては、これが毎日続くと負担が大きい。 血管をじわじわ傷める「糖化」の原因にもなります。
引き算のコツ: 完全にやめなくていい。 「毎日」を「週2回」にするだけでOK。 習慣だったものを、”ちゃんと味わう楽しみ”に変えるイメージです。
「夜の刺激」という過剰を引く
50代は、自律神経のブレーキ役(副交感神経)が弱くなりやすい年代。 本当は、夜ほど静かに過ごしたいのに…
つい、刺激を足していませんか?
寝る直前の情報を引く
布団に入ってからのスマホ。 ニュース、SNS、動画……。
これ、脳には 「今は戦闘モードだよ」と伝えているようなものです。
引き算のコツ: 夜〇時以降はスマホに門限!や 、充電場所を寝室の外にするのもアリ。
それだけで睡眠の質が変わります。
「寝酒」という勘違いを引く
「飲まないと眠れない」は、多くの場合、錯覚です。 アルコールは寝つきを良くしても、眠りを浅くします。
50代の睡眠は、ただでさえ繊細。 そこに分解作業まで任せると、夜中に目が覚めやすくなります。
引き算のコツ: まずは週1回の休肝日。 夜の一杯を、ハーブティーや炭酸水に置き換えるだけでも十分です。
「頑張りすぎ」という過剰を引く(心の話)
50代の不調は、体より先に心が疲れていることも多い。
「まだやれる」
「自分がやらなきゃ」
その責任感が、知らず知らず自律神経を締めつけています。
完璧主義を引く
50代からは、 60点で合格。
100点を目指すほど、心と体は消耗します。
引き算のコツ: 予定表に「何もしない時間」を書き込む。 空白は、サボりではなく回復の時間です。
人間関係の義理を引く
気が進まない集まり、会うと疲れる人。 これを我慢し続けるのは、健康寿命を削る行為です。
引き算のコツ: 誘われたら即答しない。 「確認します」と一度間を置くと、自分の本音が見えてきます。
サプリは「引き算」のあとで
だるいからサプリを足す。 これは、穴の空いたバケツに水を注ぐようなもの。
まずは、
・食べすぎ
・夜の刺激
・頑張りすぎ
この3つを少し引く。 その上で、必要なら医師や専門家に相談して、最小限だけ足す。
それが、50代の賢い選び方です。
まとめ:体も心も、身軽がいちばん
50代の健康は、 どれだけ持っているかより、どれだけ手放せるか。
今日は何を足そう?ではなく、 今日は何をやめてみよう?
その小さな引き算が、 10年後、20年後の自分を静かに支えてくれます。
焦らなくて大丈夫。 身軽になるほど、体はちゃんと応えてくれます。