一日の終わり。
リビングが静かになった頃に、ふと思い出すことがあります。
「あ、洗濯機…回したままやった」
明日も早いし、このままにするのも気になる。
結局、夜のベランダに洗濯物を持ち出す。
忙しい日が続くと、だいたいこの流れです。
夜の空気はひんやりしていて、悪くない。
静かな中で、湿った布がゆらっと揺れるのを見ると、なぜか少し落ち着く。
「まあ、これで一件落着」と思って、そのまま寝る。
で、翌朝。
乾いているはずの洗濯物を取り込んだ瞬間、
なんとも言えない違和感に気づきます。
軽くない。
匂いも、すっきりしない。
(……あれ?)
お気に入りの洗剤を使ったはずなのに、
太陽の下で乾かしたときの、あの感じがない。
大ごとではないけど、気にならないわけでもない。
たぶん、これ。
自分だけじゃなかったはずです。
夜の空気は、意外と手ごわい
夜は静かで、澄んでいる。
人間にとっては心地いい時間帯ですが、洗濯物にとっては、そうでもないらしい。
昼間は気温が高くて、空気が水分を抱え込めます。
でも夜になると気温が下がって、空気は余裕を失う。
その結果が、夜露(よつゆ)。
洗濯物から水分が抜けようとしても、
周りがすでに「満員」だと、なかなか進まない。
そこへ、菌の出番。
水分があって、ほどよい温度で、時間もたっぷり。
しかも紫外線なし。
静かな夜は、菌にとっては
「ここ、居心地いいですね」という時間帯だったりします。
風も、だいたい休憩中。
夜のベランダは、思っている以上に空気が動きません。
洗濯物の周りに、湿った空気がたまったまま。
乾いているようで、乾いていない。
あの微妙な感じは、たぶんそのせいです。
夜を完全に敵にしないための、小さな工夫
だからといって、「夜干しはダメ」と決めつけると、
生活のほうが先に回らなくなります。
夜にしか回せない日も、普通にあります。
間隔
いつもより、少しだけ広く。
指3本分くらい。
これだけで、空気の逃げ道ができます。
薄手のものだけ夜に回す
というのも現実的です。
ベランダの環境が微妙なときは、
「半分外、半分中」もあり。
最初は室内で風を当てて、
ある程度水分が抜けてから外へ。
除湿機やサーキュレーターを使うのも、全然アリです。
自然乾燥にこだわりすぎて、
翌朝テンションが下がるよりは、ずっといい。
(文明の利器、ここで使わずいつ使う)
夜干しに向いていない服が、たしかにある
夜に干していて、
「なんか今日は負けたな」と感じる日があります。
だいたい、厚手のタオルかデニム。
触ると乾いているのに、
奥のほうがまだ粘っている感じ。
全部同じ条件で干しているのに、
なぜか一部だけ裏切ってくる。
洗濯物にも、夜型と朝型があるんだと思うことにしています。
全員を夜に働かせようとするほうが、
たぶん無理があります。
(人間でも無理なのに)
「乾いた」の判断が、だいたい早すぎる
朝、洗濯物を取り込むとき、
私はよく急いでいます。
指先でちょっと触って、
「うん、乾いた」
この判断がだいたい早い。
襟元や脇のあたりは、
ちゃんと見ていません。
見ないというか、
見ないことにしている。
あとで匂いに気づいて、
「あ、やっぱりそこか」となる。
乾いたかどうかより、
湿気を閉じ込めたかどうか。
見るべきポイントは、そこだったみたいです。
洗濯機の中にも、気配はある
もうひとつ。
匂いの原因は、洗濯物だけとは限りません。
夜に回して、そのまま放置。
これ、やりがちです。
洗濯槽の中は、一晩で立派な湿度ゾーンになります。
・洗い終わったら、蓋を開ける。
・ときどき槽を掃除する。
地味だけど、ここが整っていると、
夜干しの成功率はかなり上がります。
MPをここで全部使う必要はないけど、
最低限の装備は整えておく、みたいな感覚です。
夜に干す日は、朝に少しだけ続きをする
夜干しをするときは、
朝に「続き」がある前提で考えるようになりました。
全部を夜に終わらせなくていい。
8割できていれば、もう合格。
朝、日が当たる場所へ移す。
風の通り道に掛け直す。
それだけで、洗濯物の表情が変わります。
夜に完璧を目指すより、
朝に少しだけ手を貸す。
そのほうが、結果的に楽でした。
洗濯も、
MPを使い切らない戦い方があるみたいです。
うまく乾かない日があっても
洗濯物は、太陽の下でカラッと。
たしかに気持ちはいい。
でも、毎日それができるわけじゃない。
タイミングも、天気も、生活も、日によって違います。
夜に干して、少し匂ったとしても、
それは失敗というほどの話でもない。
ただ、空気と噛み合わなかっただけ。
「今日は間隔、広げとこうかな」
「風、ちょっと当てとくか」
そんな軽い実験みたいな気持ちで十分です。
明日の朝、ベランダの扉を開けたとき、
布が少しでも軽く感じたら、それで合格。
完璧じゃなくていい。
洗濯も、暮らしも、
だいたい乾いていれば、まあ良しとしましょう。